本番日誌 伊佐千明

「もう演劇一年生ですと言いたくない、言ってられないと思った今日」


私の母はかっこいい。
幼少の頃、たしか6歳。バレエの発表会で母が結ってくれた髪が気に入らないと文句をたれてからというもの、それ以来お母さんはわたしの舞台にノータッチになったように思う。
20年。感想はいつもほとんどない。

Q:どうだった?

A:
ふつう。
おつー。
まあまあ。
あと3分早く終われば湘南ライン乗れた。
分からない。
汚い 。


といった具合。

しかし毎回ちゃんと観にきてくれるのでありがたい。

本日「1万円の使いみち」7ステ目を母が観に来てくれました。
奇跡がおきました。

いつも終演後すぐさま帰る人が、ちょこんと座って、須貝さんのアフタートークを聞いているではありませんか。
さらには、終わって須貝さんに挨拶までしてるんるんで画廊をあとに。


曲がったことが大嫌い、人見知りで強がりで、天邪鬼、一度機嫌を損ねたらさー大変、絶対恋人にしたら面倒、英語ペラペラで何でも出来て美人なのが私のお母さん。
何かと最強説。

一人暮らしをはじめて半年。恥ずかしながら初めてこの年で親元を離れる。

終演後に久しぶりにお母さんと食事をした。
急に始まったダメだしの嵐。
戸惑った。
今までそんな事言われたことなかったから。

作品はものすっごい楽しかったし、出演者もすごい。みなさん素敵。とご満悦。

私への感想がどばばばば。
とじゃじゃ漏れた。

あなただけ下手くそね。からはじまり、最後は須貝さんと付き合ったら?で終わった。

過激であった。

でも

すごく嬉しかったし楽しかった。
たくさん笑った。


お互い悩み事、相談事をしないのが私達流。今まで生きてきたら自然とそうなった。
だから普段お互いの事をどう思ってるなんて絶対にいったりしない。
でも絶対に言わないからこそ、心で思ってる事が強くたくさんある。
絶対に恥ずかしくて言えないけれど。

でも、それが今日、言える気がした。
言わなかったのだけど。

お母さん、かわいい。

母さんよ、下手でごめんよ。恥かかせたねー。
芝居が上手くなりたいとは正直あんまりというか全然思っていないのだけど、なぜならそこに興味がないから。だからずっと下手かも。
でもまたお母さんに観せたいから、これからもお芝居続けようと思う。
だから、自分で演劇一年生と言うのやーめた。


◆monophonic orchestra 4◆
『1万円の使いみち』

【日程】
2013年12月13日(金)~25日(水)

【会場】
新宿眼科画廊スペース地下
http://www.gankagarou.com/

ご予約はこちらから
『1万円の使いみち』URL:http://ticket.corich.jp/apply/50382/
『時々は、水辺の家で』URL:http://ticket.corich.jp/apply/50383/